vol.001
「HOMO DEMENS MAN」発売記念企画!!
HOMO対談
西邑卓哲×プエル
(2016年10月某日)



 



来る2016年10月19日にFOXPILL CULTにとって通産3枚目となるフルアルバム『HOMO DEMENS MAN』が発売される。
現在の4人編成となってから初のフルアルバムでもある本作だが、
結成時のメンバーである西邑卓哲(Vo&Gt)とプエル(Pianica&Vo)に本作について訊いてみた。

(撮影:荒川れいこ(zoisite)、アートディレクション:Shinpei Morishige)




----アルバムの発売までもう間もなくだけどどう?


西邑 そうだね…(真顔)


----いや、なんかマジメな話する時の顔になってるけどもっと気楽に音楽以外の切り口からのアルバムの話も聞ききたいよ


プエル ははは(笑)

西邑  そっか(笑) 割と毎回言ってる気もするけど、うちのバンドって段階あると思うんだけど
例えばこのアルバムでWhat's Happening Brother(※M11)をプエルと一緒に作ったことによって次に進めると思ったし、
FOXPiLLの時代のルーツにも戻ってる部分もあるし

プエル その感じはあるよね

西邑 新しい部分も両方ある。変わったと思う人もいるかもしれないし戻ったんだなって思う人もいるかもしれないし、二面性はあるな


----プエルは?かっこいいこと言わなくていいよ。


プエル うぅ…

西邑 関わり方も変わったじゃん。音楽性だけじゃなくて

プエル ああ、成長させてもらってる気はするね。

西邑 後半とかアレンジ結構作ったじゃん。アイディアとかはどういうところからきたの?

プエル エチオピアっぽいのはいれたいなって思ったんだけど、最初はなかなか上手くいかなくて。
で、リズムから作った。とりあえず三拍目にスネアは入れたくなかった。


----ツッツッタッツッっていう、いわゆる8ビートじゃないやつね。


プエル 力強くて大地っぽいやつにしたかった。あとiPhoneを手に入れたのはデカイわ。


----文明の利器によってね(笑)


プエル そう、文明の利器!

西邑 文明の利器って!誰でも持ってるやつじゃん!(笑)

プエル (笑)アイディアを撮り貯めるにはすげぇ楽。今までは鼻歌だけだったし。
アルバムとしては…人生を振りかえったときにいいなって思える作品になってたらいいなぁ


----たしかに、あとになってから人生での位置付けってわかるのかもしれないね。着地点ではなくて全て経過ポイントだし。


プエル 今までのアルバムもたくさん面白い傷跡?は残してるよね

----傷跡っていうと汚点とかトラウマみたいだな

西邑 うん、そこは足跡でいいじゃん(笑)


----まぁ、そのなかでも一番の傷跡になったんじゃない?


プエル
 そうかもね

西邑 そうだね

プエル 『ROMANATION』(※2016年3月発売のミニアルバム)より音楽性のレンジは拡がってる感じはあるよね。

西邑 『ROMANATION』ってこのアルバムを見通してギュッとさせていた部分がある。

プエル あの時もレンジ広いなって思ったけど、今作はそこから更に踏み込んでる


----ミニアルバムだと7曲にまとめなくちゃいけないし


西邑 あれがこの4人での初めての作品だったじゃん?
あの時も拡げることはできたんだけど、俺はいつもミニアルバムは拡げすぎないようにしてる部分がある。
早くフルアルバムで出したかったから、こういう形で出せてよかったな

プエル ミニアルバムが2回続いていたもんね

西邑 このアルバムのデモって『ROMANATION』が発売してからすぐ作ってるんだよね。だから四月ぐらいからか


----じゃあ一曲ずつ収録曲について聞いていきたいんだけど。まずはファンタスティックプラネット。


西邑 プエルはもともと前身バンドでやってるのを聴いたことあったんだよね?やると思ってた?

プエル いや、まったく

西邑 はは(笑)そうだよね

プエル でもディアフーフみたいな感じが出せたかな

西邑 ディアフーフらしさってプエルの良さだし、俺とプエルの共通項でもある。
  この曲はMorishigeが入ったからできるって思ったんだけど、プエルなら上手く持ち味も出してくるだろうなって思ってた。
アルバムからの最初のMV曲だし、結果的にすごくバンドっぽくなったしよかったな

プエル うん、そうだね。あとMV撮影にも気合入ってたしね。白バックのスタジオ撮影で

西邑 あれは大変だった…。最初なんてカメラマンなしで行こうとしてたからね

プエル それは無謀だね(笑)

西邑 カメラマンが見つからなくて。で、こもだまりさん(昭和精吾事務所)ならできるんじゃないかなって思ったら、本当にうまくやってくれた。


----初めての白バックのスタジオ撮影ってことは、そのくらいポップな曲ってことだね。


西邑 うん、そういうポップなこともやらなくちゃいけないって思うようになった。
Morishigeの存在もそうだけど、新たな価値観が入ってきたことによってそう思った。それでその撮影の為に新しいカメラも買ったんだけど

プエル 昔、ライブで観た時は華やかさっていうのがルーシーさん(※前身バンド時代の女性ボーカル)に集中してて、今のきらびやかさとはまた違っていたしね。
ムキムキのベースの人(※室田晃 a.k.a MURO)もいたし。実は俺、あの人の動きオマージュ入れてるんだよ(笑)
2回観たFOXPiLLのライブで俺は両方泥酔したけど、あの動きだけは覚えていた(笑)

西邑 そうなのか(笑)FOXPiLLのライブでは数回しかやってないから数少ないファンタスティックプラネットを知ってる人だね


----2曲目 失われた範列


プエル これはなかなかおもしろかった(笑)いろんな要素が入って

西邑 これは自己オマージュだったりとか、廻天百眼に楽曲提供した経験だったりとか、暗い部分だったりとか。
 最初はMV曲にするつもりはなかったんだけどMorishigeにMVにしたらって言われた時に感性を変えてアレンジも変えたんだよね。
歌い方も変えたし、そこにプエルの声も入ったことによって想像以上のパンチが効いてて(笑)それとMorishigeのギターアレンジ。
すごくツインギターしてる。(左スピーカーのギターが西邑で右スピーカーのギターがMorishige)だからプエルとMorishigeの個性によって形作られた曲だね。
すごいバンドっぽいよね

プエル うん、そうだよね

西邑 ちょっと前にやったらバンドっぽくならなかった気がする。
俺のパーソナリティばっかり出ちゃったりとか。
でも今この曲、どう考えてもプエルの声の方がパンチあるでしょ(笑)そういうのもあって、すごい好きになった。この曲

プエル スティーヴィワンダーがMVにもご出演だし(笑)

西邑 Bメロがプエルが歌うとブラック風になって、うまく融合するんだって思った。誰にもマネできないものができたんじゃないかな

プエル うん、どれかの要素は他にもできるバンドはあるかもしれないけど一曲の中でできるのは俺らだけじゃないかな。面白いバランスになったね


----3曲目 ホモデメンスM


プエル ハードロックの要素もあるよね 

西邑 うん、Morishigeとのギターバトルがある。プエルは割りと歌とか?

プエル この曲はカオスで展開をいれるのとか大変な曲だったなぁ。これ結構カオティックなんじゃないの(笑)面白かったなぁ

西邑 最初はこの曲をMVにしようとも思っていて。歌詞がこのアルバムの全体を象徴しているような。
  全ての曲の接続にもなっているような曲。これも一曲の中でいろんな要素があって、展開と共に崩壊していく。
  一番カオスな曲かもしれない。プエルにアレンジの時に概念みたいのを話して」

プエル あれがなかったら意味がわからなかった。そういう概念みたいのを知ってから聴くとまた違って聴こえてくるかも
 
西邑 
だから歌詞カードに隠されたヒントも見てほしい


----4曲目 ROMANATION


プエル ライブ、よくなったよね(笑)断然安定した気がする。Booちゃんのドラムもすごくいい

西邑 最初の名刺の曲みたいなもんじゃん。
 メンバーが変わったりとか、ディスクユニオン内にレーベルができたりとか。っていう時にお前らどうなのって時で。
で、まさかのGene Loves JizabelトリビュートみたいなMV(笑)

プエル 狭い部屋で撮ってるって言われるやつね(笑)


----まさに現在のFOXPILL CULTの曲だね


プエル うん、まさに代表する曲だよね。始まりの曲。

西邑 京都の撮影がきつかったね(笑)

プエル ああいうのがまたあると思うと…

西邑 次はちゃんと寝ようぜ(笑)


----つらい思い出から始まったこの時期のFOXPILL CULTなんだね(笑)


西邑 でも、ロマンがつまってるね


----5曲目 国景色


西邑 これすごいプエル活躍してるよね。『邪宗門』(前フルアルバム)の時の哀愁感とか、
  ある意味最近やらなくなった感じと『音のない太陽』(ミニアルバムROMANATION収録)の
ブラックミュージック的なホーンの感じの両方を 出せるようになってる。
成長を感じた。Morishigeのギターとプエルのピアニカがツインリードみたいな感じになってるじゃん

プエル Morishigeのね、あの泣きのギターとね(笑)

西邑 その対比がいい

プエル 途中のところのパンク…DISCHARGE+和の感じのところもいいね

西邑 天井桟敷風だね

プエル アルバムデモではこの曲のデモを最初に聴いたからもっと『邪宗門』よりのアルバムになるかなって思ってた

西邑 ミニアルバムで出さなかった『邪宗門』の要素をこの一曲に集約したのはあるかもしれない


----6曲目 The Man Machineと7曲目 作る人は?(インタビューアーが眠くなってきている)


西邑 これらはインストのソロ曲みたいなものでね。アルバムにはあるストーリーがあって『国景色』で一旦区切りがあるんだよね。
これは一人だけの世界。『作る人』ではそこにBoo君が効果音をを重ねて機械的な世界になっている。
アルバムの前半から後半への橋渡しみたいな曲達


----8曲目 盗作のルーデンス


西邑 機械仕掛けの神って歌詞だけど。これは俺が昔に参加してたバンドへの批判。盗作って言葉もホモデメンス(倒錯人)と掛けている。
 曲を盗作された経験があって

プエル なぜか俺がボーカルを執ることになってしまった…

西邑 そう、俺が盗作されたことの怒りをプエルに歌ってもらって押し付けた(笑)

プエル 俺が怒られる(笑)

西邑 これアレンジ、プエルかなり変えたよね。プエルが自然にやってることが、うまく作用してる。
あとから俺もリフを少し変えた。本来ガレージのような直線的なリズムだったのをスカにした。プエルの誤解釈を元にして自然とそうなってったの

プエル 前作のROMANATION収録の『場依存/怪人』もそうなんだけどガレージっぽい曲ってそっち(スカ風)に聴こえてきちゃうんだよね。土着的な

西邑 それは面白くてよかった。だからプエル主導でアレンジしようと思った。プエルのアレンジから着想を得て、色味を変えた


----9曲目 信じない


プエル これはもうSMAPですね。合唱曲。解散を信じない俺とゲッティ(Morishige)の心が全部入ってる(笑)
  で、なんでアルバム後半はあなた(西邑)は歌いたがらないの(笑)

西邑 こうすることをアルバムと曲が求めてるから(笑)

プエル デモではケビンちゃん(西邑)が歌ってるバージョンが聴けたんだけど(笑)ライブではどうするの

西邑 これは楽器を置いてMorishigeが歌う(笑)

プエル じゃあ俺はローラースケートでも履こうかな

西邑 それはSMAPですらない(笑)最終的に楽しい曲になった。Boo君の声もよかったし


----10曲目 My Nirvana


プエル これは歌ってよりかは語りに入っちゃう?歌おうとしない西邑(笑)

西邑 うん、そうだね。もう何でもよくなってる。前からこういうのやってみたかった。ドゥームとレゲエ。
  ライブでもカッコよくできてると思うし。これのMVってのも考えてたくらい

プエル デモの段階ではそこまでそっちに寄るとは思ってなかった

西邑 一歩間違えたら捨て曲なんだけど。これがカッコよく見えるのは実力だと思うしセンスが試される曲だと思う。かなり気に入ってるな


----11曲目 What's Happening Brother


西邑 これプエル、超活躍してるよね

プエル ワッツ(What's Happenning Brother)かぁ…
  これ完全に俺の誤解なんだけど自分で変拍子にしてきてレコーディングの時にリズムがとれなくて時間かかった(笑)

西邑 この人にはこう聴こえるのかって衝撃的だったんだけど。全然違うんだけど、それはそれですごいよかった。
  プエルのソロアルバムでこの曲を出そうって思ったくらい(笑)

プエル
 どうするか迷った挙句ソロアルバムに入れようって話にもなってたよね(笑)最終的にオペラ感のあるアレンジだよね。
(なにわえ)わみの歌も入ってね(笑)この曲のアレンジのデモを持っていったのがケビンちゃんが廻天百眼の公演中だった

西邑 そう、公演中に聴いてイイネってなって、でも原型と全然違うけどどうする?(笑)ってなって。
結果的にプエルのデモに寄せて作ったよね、ワッツは。この曲もすごくバンドでやってるって感じで色んな要素が入ったと思う。
で、この曲がアルバムの本編最後の曲

プエル ライブでやってみたいね。どういう形になるんだろう。この曲は朗読の部分もあるね

西邑 こういう曲をライブでやってるバンドはあんまり見たことないな(笑)朗読は完全に昭和精吾さんからの影響。音楽に寄ってる曲だからこそ

プエル まあ最初にデモで朗読が入ってるのを聴いた時はちょっと笑ったけどね(笑)いやぁ、熱いね

西邑 朗読は『邪宗門』の時点で散々Morishigeにネタにされたから(笑)ワッツを聴いて後半で朗読が入ってくるとは誰も思わないだろうね


----12曲目 記号図書館


西邑 記号図書館は割りと独唱というか独白、ソロみたいな感じだからね。アルバムのエンディングテーマみたいな。


----アルバム全体としては?


プエル 最初は西邑卓哲の内省的なソング集になるであろうって話を最初にしてた気がするけど蓋を開けたらそうでもなかった

西邑 そうだね、内側と見せかけて対社会というか。4人で演奏するってことは勝手に外に向かっていくというか。
  自分の中に向かっていくっていうのも結局は外で対峙しなくちゃいけないっていうのに辿り着くと思うんだよね。
  そこに向かってる気がする、このアルバムは


----2016年10月19日『HOMO DEMENS MAN』の全国発売をもって、
遂にその全貌を明らかにする現在のFOXPILL CULT。
満を持して揃った四人の男達の”今”が凝縮された至高の一枚となっている。
そして2016年11月18日、初ワンマン。男達の新たな世界への船出を見届けてほしい。
(この言葉をもってインタビュー後半眠かった事への謝罪と代えさせていただく)


Interview:Shinpei Morishige


TOPへ戻る